全盛期。宮古島出身の猛者達と共に一晩中オトーリを回しても、レイブイベントで狂った様に踊り続けても、二日間ぶっ通しで麻雀を打っても全然ヘッチャラ。恥ずかしながら、若かれし頃は沖縄が代表するタフガイキャンキャンと自称しておりました。お酒に飲まれるのは持ってのほか。乱れた女子や友人達の介抱をしながら、そんなカッチョわるい男だけにはなるまいと心に決めていたのです。そんな私が、よもやシンデレラになってしまうとは予想だにしておりませんでした。月日を重ね、体重計のメモリがグルリと回転する毎に、午前零時を回れば私の瞼はこれ以上になく重くなるのです。酒宴の盛り上がっている場面をスルーしてしまう事実。楽しい事が大好きなタフガイキャンキャンには思ったよりも辛い現実でした。これは急がねばなりません。誰か私の意志を継ぐ者を探さねば。今から10年程前。私は愛して止まないカワイイ弟と初めて飲みに出掛けました。普段全く会話のない兄弟。誘われた私は女の子みたいですが、チョー嬉しくって。カワイイ弟に男らしい飲み方を提示するべく、行きつけのナイスなバーを何軒かハシゴしました。カウンターにつくなり意気揚々と、いつもの頂戴（泡盛）と言おうとした瞬間。カワイイ弟は恐ろしい事を口にしたのです。スピリタスください。ままじですか。一瞬狼狽しましたが、兄としてそんな姿を見せてはメンツに関わります。私は頑張ってチビチビ飲みました。あのようなアルコールは飲んではイケマセン。そして寡黙なムッツリ兄弟の夜は何を話するでも無く更けていったのでした。うーん。我が弟ながらカッチョいい。私以上の逸材。第一関門は軽く突破ですね。私のタフガイを継承できる人間は奴しかいません。でも、、、どうやってお願いしようかしら。